ポリマー分子量調整用途

ポリマーの分子量調整(分子量調整剤)としての適用

キノパワー® QS-10のラジカルとの反応性を応用し、ポリマーの分子量を調整することができます。ただし、ポリマーの生長反応の停止と再開始ラジカルを発生させるいわゆる連鎖移動剤とは異なり、開始剤より発生した開始ラジカルによって生長したポリマーの生長ラジカルをキノパワー®QS-10で停止することで分子量を調整します。したがって、重合系内のキノパワー® QS-10の濃度や開始剤の濃度を制御する必要があります。

キノパワー® QS-10を適用したポリマーの特徴

キノパワー® QS-10は、主にスチレン系モノマーに強力な分子量制御効果を発揮します。
アクリル系モノマーの分子量を調整したい場合は、少量の電子供与性モノマーを分子量調整助剤として添加することで分子量制御効果が大きくなります。(分子量調整助剤の項参照)

  • 分子量制御、分子量分布を制御できます。
  • スチレン系モノマーの生長末端への付加反応が速やかに進行するため、反応後のポリマーに未反応のキノパワー® QS-10の残留しにくい特長を有します。
  • メルカプタン、α-メチルスチレンダイマーのような不快な臭気がありません。
  • 吸湿性がなく、金属腐食を起こしません。
  • 炭素/水素/酸素のみから構成される、クリーンな材料です。
     イオウ、窒素、リン等のヘテロ元素や、金属元素を含みません。
     オゾン層破壊物質となる、ハロゲンを含みません。

適用可能な重合プロセス

キノパワー® QS-10は塊状重合(バルク重合)、溶液重合(有機溶媒溶液)、懸濁重合、乳化重合(エマルジョン重合)、沈殿重合(スラリー重合)、分散重合など各重合様態に適応することが可能です。
キノパワー® QS-10を分子量調整に適用する場合、下図のような重合プロセスを用いて適用最適化を行う必要があります。(重合方法、溶媒種、添加順序、添加方法など)

キノパワー® QS-10の分子量調整例(溶液重合)

溶液重合系にキノパワー® QS-10を溶解させた溶液を連続的に供給することで系内のキノパワー® QS-10の濃度を維持し、重合初期から後期にかけて低い一定の分子量のポリマーを得ることができます。

重合条件
(1)組成 スチレン(60 wt.%)
トルエン(40 wt.%)
(2)開始剤 AIBN(4%)
(3)重合禁止剤(QS-10) 5,000ppm
(4)反応条件 N2中/75℃/溶液重合
(5)添加液 8%QS-10/トルエン溶液

分子量調整助剤:電子供与性モノマーの併用

キノパワー® QS-10にスチレンあるいはα-メチルスチレンのような電子供与性モノマーを助剤として少量加えることで(メタ)アクリレートのポリマー分子量制御効果を高め、低分子量化が実現できます。

重合条件
(1)組成 メタクリル酸メチル(40 wt.%)
アクリル酸n-ブチル(60 wt.%)
(2)開始剤 過酸化物(1%)
(3)反応条件 N2中/90℃/溶液重合

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